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「朝ごはんキャンペーン」を支える学生保険部会とは?ー福岡大学法学部 神谷小夜子さん

2020.04.09

著者情報

阿部太一(ちいたべあ)

阿部太一(ちいたべあ)

96年福岡生まれ。人狼や早押しクイズなどのマインドスポーツが好き。学生主体のイベントレポートや、インタビュー記事を中心に書きます。

福岡大学には学生が朝食を100円で食べることができるイベント「朝ごはんキャンペーン」があります。

普段忙しくて食事が偏りがちな学生もちょっとだけ早起きして栄養満点の朝食を食べ、健康に過ごしてほしいと平成22年度からおこなわれている企画です。

そんな朝ごはんキャンペーンを企画・運営しているのが「学生保険部会(略称:ガッケン)」という学生団体。

福岡大学には多くの公認学生団体がありますが、ガッケンはとりわけ学内でも知名度の低い組織で、その実態について気になる方も多いかもしれません。

今回はそんな、謎に包まれた学生保険部会の様子を明らかにすべく、委員長を務める福岡大学法学部3年生・神谷小夜子さんにお話を伺っていきます。

ガッケンってどんな団体?

−私(インタビュアー・阿部)も在学中、朝ごはんキャンペーンにはお世話になりました!100円でお腹いっぱいご飯を食べることができて、すごく助かりました。

それはうれしいです(笑)
朝キャンはガッケンが受付に立ち、学生の目に触れる数少ない機会なので。

−確かに朝キャンは知っていても、運営している団体については知らない学生が多そうですね……。ぜひ教えてください!

ガッケン、正式名称「学生保険部会」は福岡大学の公認学生団体です。

ただ、学友会の組織ではないんです。

福岡大学には、多くの大学が加入している大学生協の代わりとして「学生健康保険互助組合」という保険組合があります。実は福大生なら誰でも、入学時にこれに加入しているんですよ。

「学生健康保険互助組合」の活動には、病院にかかった時に医療費を補助する「医療給付」と、福大生が健康に過ごせるような支援や啓発をおこなう「予防給付」、2つがあります。

こののうち予防給付を手掛けているのが、私たちガッケンです。

−安くておいしい朝ごはんの提供は、学生に健康に過ごして欲しいという目的からだったのですね!

そうですね。主な活動を挙げると、

・朝ごはんキャンペーン(年4回)
・夕食キャンペーン(長期休み・年2回)
・歯科検診(春秋・年2回)

があります。

また契約施設の新規開拓のため研修旅行に行ったり、不定期で機関紙「ハローけんぽ」を発行したりと、年間にわたって充実した活動をしています。

−研修旅行もあるのですね!楽しそう!

学生がゼミやサークルの合宿をする際に安くて快適な宿泊先を選べるよう、私たちと学生課で協力して九州各地のホテル・旅館を周り、福大生向けのプランや団体受け入れをしていただける契約施設になっていただくお願いをしています。

研修旅行は毎年春休みにあり、宿泊施設だけでなく近くの観光地も調査します。

部員にとっては旅行気分で一年間の疲れを癒やせる、とても楽しみな行事です!

宿泊費や交通費は予算から出ているので、新歓ではよく「無料で旅行に行ける公認団体です!」と謳って新入生にお話を聞いてもらっています(笑)

−なるほど!部員はどんな学生が多いですか?

現在は15人で活動しています。

1,2年生が中心の若い組織ですね!

学部は商学部が多いです。
歴代の先輩方も、商学部や商学部二部の方が多かったようですね。

私は法学部なので、もっと学部の後輩が増えるといいなと思っています(笑)

縦・横・斜めの人間関係

−神谷さんはどうしてガッケンに入ろうと思ったのですか?

入学直後、学友会の会誌に掲載されていたガッケンの紹介ページを見たのがきっかけです。

当時の委員長が「ガッケンでは、縦・横・斜めの人間関係を作れます」と書いておられたのが、とても印象的でした。

−「縦・横・斜めの人間関係」ですか?

はい。

縦は先輩後輩、横は同級生、斜めは他の学部やサークル、学生課職員の方、学外の方々のことです。

私はたくさん人間関係を築くことで大学生活を充実させたいと思っていたので、このフレーズにとても共感しました!

実際、ガッケンに入ったことで他学部の先輩後輩と知り合うことができ、そこからインターンシップを紹介してもらったりと広がりがありました。

効率化と後輩の成長がやりがい

−素敵ですね!今は委員長を務めておられますが、どんなことをしていますか?

委員長の役目は、各イベントの企画運営の取りまとめ・書類作成・会議への出席です。

学生から集めた公的なお金を動かしているので、きちんとした書類にまとめたり、学生部長の先生に報告したりすることが必要で、その責任を果たしたいと思っています。

高校時代に3年間、生徒会長を務めていた経験が活きていて、会議でも緊張せず先生方の前に出られますし、事務処理も今のところうまくできています。

−特にやりがいを感じるのはどんな時ですか?

作業の効率化や、効果を考えている時です。

朝ごはんキャンペーンでは毎回、学生にアンケートを実施して満足度や学部学科などを調査しているのですが、紙媒体で実施するので集計に時間がかかるのが問題でした。

そこでGoogleフォームを使用するよう変更し、5時間ほどかかっていた集計作業はほとんどなくなりました。

作業負担が減ったので部員に仕事を振りやすくなり、アンケート作成をマニュアル化して引き継ぐことも簡単になりました!

今後の課題は、QRコードを載せたチラシのデザインなどアンケートの回収率を高めるための工夫、集めた調査結果を学生課や先生方に共有して今後にどう活かしていくかを考えていきたいですね。

それから、現状あまり後輩に仕事を任せられていないので、私がガッケンで体験できたことを後輩にも伝えて、成長につなげてもらえるといいなと思います。

「夢」じゃなくて「目標」

−そんな神谷さんの進路について教えてください。

広告業界に進みたいです。

特に、短い言葉で人の心を動かす、コピーライターが目標です。

広告の世界ではよく「広告は見てもらえないと思え」と言われています。

ガッケンの活動を通して、それを実感しました。

ただそこにPOPやポスターを置くだけでは意味ない。

どうすれば見る人の心を動かし、行動を取ってもらえるのかをこれからも学んで実践していきたいです。

−そんなふうに語る夢があってとても素敵ですね!!

うーん、実は私「夢」って言葉あんまり好きじゃないんですよね(笑)

「夢じゃなくて目標にしたい」って思ってます。

何かになりたい、何かをしたいと思うなら、叶うことを前提に考えたいです。

−なるほど……力強い言葉に納得しました。さすが、言葉を操る仕事を目指していると、そういった細かい言葉の選び方も磨かれていくんですね!今日は僕もたくさん学ばせていただきました。ありがとうございます。

こちらこそ、ありがとうございました!

写真:高松有沙
https://www.instagram.com/matsu_came/

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