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プログラミング初心者が上達するコツとは?「1人ハッカソン」ハックツのどりーさんに聞いてみた【社会人インタビュー】

2020.06.13

著者情報

阿部太一(ちいたべあ)

阿部太一(ちいたべあ)

96年福岡生まれ。人狼や早押しクイズなどのマインドスポーツが好き。学生主体のイベントレポートや、インタビュー記事を中心に書きます。

たった数日間でプロダクトやサービスを創造しその成果を競う「ハッカソン」というイベントをご存知でしょうか。

ハッカソンは”hack”とマラソンからの造語。あるお題に沿ってエンジニアやデザイナーがチームを組み、短期間開発に没頭。プレゼンを経て審査がおこなわれます。

エンジニアリングの技術力が求められるだけでなく、時間やリソースの管理能力やプレゼン力も試されること、交流にもなることから、エンジニアやエンジニアを志望してプログラミングを学んでいる学生の間で広く親しまれています。ハッカソンがきっかけで実際にサービスが作られたり、新たなプロジェクトが発足することもあるとのこと。

そんな中、5月19日から26日まで、「チームではなく個人参加」「発表はTwitterへの投稿のみ」という異色のハッカソンが開催されました。その名も「1人ハッカソン」。

どんなイベントだったのか、また初心者プログラマの技術上達の秘訣について、運営を手掛けた株式会社ハックツCEO、どりーさんこと湯舟武龍さんにお話を伺いました!

きっかけは新入社員のツイート??

ー今回の「1人ハッカソン」を開催したきっかけを教えてください。

ハックツではもともと年4回ほどハッカソンを開催し、学生エンジニアの技術向上や露出の場をつくってきました。とはいえ現在は感染症流行の影響で、実際のイベントは開けない状況です。

オンラインでのハッカソンも開催しましたが、従来のオフラインイベントに比べて物足りなさを感じていました。

ハッカソンの面白さの一つに、他のチームと競いつつも一緒に開発を進めていくことがあります。

エンジニアにとって他人ががんばっている姿を見ることは、焦りと危機感を通してモチベーションにつながるんですよ!

オンラインだと他のチームの様子が見えず「みんなが開発している空気感」が醸されないので、通常のハッカソンに比べて物足りなさがあったのだと思います。

そんな中、今年の春ジョインしてプログラミングを学んでいるメンバーがTwitterで「#1人ハッカソン」とハッシュタグをつけて、プログラミング学習の進捗を報告してくるようになったんです。

ハッシュタグをつけてTwitterに投稿してもらえれば開発の様子が見える!と気づいたのがイベントのきっかけです。

ー「1人ハッカソン」は運営方法の他に、これまでのハッカソンと比べてどんな違いがありましたか?

いろいろあるけど、一番は参加者の初心者率が高かったことかな。

普段のハッカソンだと、参加者の8割が普段からゴリゴリとコードに触れているプログラミング中上級者だったりするんですね。

初心者が参加するパターンとしても、経験者の先輩に引き連れられて参加してくれるケースがほとんど。逆に言うと、誘ってくれる先輩がいないと初心者は参加するハードルがすごく高いことが課題なんですね。

ところが今回は参加者のうち半分が、あまりコードに触ったことのなかった初心者だったんです。これが予想外の成果でした!

ー確かにプログラミングに限らずですが、初心者が経験者の輪の中に飛び込んでいくのは、勇気いりますよね……。

今回は発表方法をTwitter投稿にしたことで、参加のハードルを下げました。

またgithubなどのツールはプログラミングをしない限り触らないので、非エンジニアや初学者は敷居が高く感じてしまうポイントかもしれません。

githubの使い方を解説する動画を配信したり、学生向けのSlackグループでメンター相談の場を設けたりしたことも、参加する敷居を下げる施策でした。

想定外の作品ばかり

ー1人ハッカソンで提出された作品を紹介してください

とにかく、いろんな作品がありましたね。

今回は1人ハッカソンなので、作品が参加者の数だけあるんですね。

11人が参加したので、11作品も!

これまでのハッカソンは参加者を4,5チームに分けていたので、提出される作品数としては今回がハックツハッカソン史上最多になりました。

(テーマ素材の「回立方体」がずっとブラウザの真ん中に表示され続けるだけのChrome拡張機能)

(不思議なミュージックビデオ風の動画)

ーそんな中で、優勝した作品は?

今回の優勝はYuki Nishiさんの『Meguru Cosmos』にしました。立方体を中心とした宇宙空間に、いろんな便利なツールなんかが惑星として回ってるWEBサイトです。

「回立方体」という素材で「何かおもしろいことをする」というのが今回のテーマだったんですが、ゲームでもツールでもない「おもしろいもの」が出てきたな、と。

ーこの作品を選んだ理由を教えてください。

理由は3つです。

まず、「回立方体」を中心に据えていたところ。
テーマである「回立方体」が画面中央に配置されていて、単純に嬉しかったですね。惑星が回転するという動きも、テーマと近くて良いなと。

それから、サーバーをAWSで作っていることに技術力の高さを感じましたね。
今だと簡単にデプロイができる他のサービスもあるんですが、ガッツリとしたサーバー環境を使っているのはポイントが高かったです。

あとは、デザインの良さも。惑星にマウスオーバーすると輪郭がほんのり白くなるところとか、細かいデザインにも気を使っていて完成度が高いですね。

ーいつものハッカソンでもこういった審査基準があるんですか?

一番基準として大きいのは「完成度」です。

そもそもハッカソンをする意味って、時間的制約の中で今の自分ができることとできないことを理解することにあります。
「作りたいものがあるけど実装できない」とか「時間が足りない」、逆に「これって評価されるんだ」って発見もあると思います。

その中で完成度が高いものを提出できる人は、技術力が高くて自分のことを理解しているってことなんですよね。だから、審査の基準として完成度を大切にしているのは「この数日間で自分がどこまでできるか理解してください」って意味です。

もちろん「技術力の高さ」も大切なんですけど、すごいことしてても完成していなければあんまり意味がないかな。

その他にもアイデア自体の面白さ・デザインの良さ・プレゼンで成果物の魅力が伝わったかという基準もありますね。

プログラミングを上達するコツとは?

ーどりーさんが考える、プログラミング上達の秘訣ってなんですか?

「楽しんでアウトプットをすること」ですね。

プログラミングを勉強するにあたって、アウトプットする時間が一番成長できるタイミングだと思うんですね。今はたくさんの学習サイトやテキストがあるので、インプットは少し頑張ればできます。

だけど自己満で勉強していても、実用レベルで自分の武器にすることや人に評価されることはなくって。

実際に見せることを前提としてアウトプットをすることで、自分に足りないもの明確になります。アウトプットによって、自分と世界とをすりあわせていく感じですね。

他の勉強でも、教科書を暗記するよりも実際に問題を解くほうが身になるじゃないですか。やっぱり書かないと覚えないですからね。プログラミングもそうで、教材で学ぶだけじゃなくて実際に何かを作ってみると良いと思います。

その一環として、僕たちがやってるハッカソンもあるのでぜひ挑戦して欲しいですね。

これは特に地方での話なんですけど、アウトプットするチャンスって少なくない? って思うんです。

僕たちエンジニアってスーパー怠惰な人間たちなのに、アウトプットをさせてくれる環境が整っていないのでは?って課題意識がずっとあったんです。

東京だと月に1回ハッカソンがあるような感覚ですけど、たとえば福岡で毎年継続して開催されているテック系イベントって2つしかないんですね。そのくらい、地方ではエンジニアがアウトプットを見せる機会が少ないんです。

その中で、短期間でハッカソンを開催しまくって学生エンジニアに成長の機会を提供することが、僕たちハックツの価値です。具体的には、オフラインで年4回のハッカソン開催をおこなっています。

ーどりーさんがそこまでエンジニアの成長に寄与したいと考えるようになったのはどうしてなんですか?

僕の周りにいたすごい人や輝いてる人って、みんなクリエイティブなことを楽しんでやっている人でした。もちろん輝いて見える人って首都圏だけではなく、福岡にもたくさんいるわけです。

だけど、福岡のように地方にいるすごい人って認知されていないと感じていました。プログラミングを楽しんでいる福岡の学生で「お金がない」って言ってる人がいる。そういう人が周りに認知されたらそれが解決して、もっと楽しくなれるはずなんですね。

自分が一番プログラミングを楽しんでいた時期は数年前なのですが、当時は学生エンジニア向けのイベントや情報が少なかったんです。

もしもハッカソンが毎月のように開催されていたり、学生エンジニアのコミュニティがもっと盛んだったりしたら、プログラミングそのものを楽しみ続けることができたんじゃないかなと……。

だから、本当のペルソナは過去の自分だったりします。

ー過去の自分に重ねて、地方の学生エンジニアに活躍の機会を作りたいと思ったのですね?

そうですね。

特に今は、僕たちが直接会える福岡の人たちを幸せにするために働いています。地方全てを幸せにするためには、まず自分が会える人たちを幸せにしないと実現できませんからねね。

「自分が仲良くしている人が一人でも不幸せなら、俺も幸せではない。自分が幸せになるためには、周りの人を幸せにするしかない!その人に幸福になってもらわないと、俺が困る!」なんていう性格をしているので(笑)

福岡を始めとする地方の学生を幸せにするために、これからも動いていきます。

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