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MaCOP(マコップ)高野さん。福大商学部でゲームクリエイターを目指す!

2020.03.04

著者情報

阿部太一(ちいたべあ)

阿部太一(ちいたべあ)

福岡大学商学部第二部4年生。しょぼい研究者。愛媛県出身。大学生活を人狼・謎解き・早押しクイズに捧げてきました。

福岡市には多くのゲーム関連会社が所在しています。また、昨年は国内e-Sportsの一大祭典である『EVO Japan 2019』が開催され、福岡市はゲーム都市としての地位が年々高まっています。

福岡大学商学部にゲームをはじめとする知的コンテンツのマネジメントやプロデュースなどを行う人材を育成するプログラムとして、クリエイティブ・マネジメント・プログラム―――通称MaCOP/マコップが2018年に設置されました。

業界の第一線で活躍しているゲームクリエイターやディレクターを講師として招いた講義や、ゲームの面白さの分析と研究をおこなうワーク、実際にゲームを制作する演習が行われ、未来の福岡で活躍するゲームクリエイターが育つ場として、期待が持たれています。

今回は、そんなマコップで現在ゲーム制作プロジェクトに取り組んでいる商学部商学科2年の高野麟太郎さんに、マコップでの学びについてお話を伺いました!

―今日はよろしくお願いいたします!

はい、よろしくお願いいたします!

―早速ですが、マコップに入ったきっかけを教えてください

マコップの存在を知ったのは大学入試直前でした。入学後のガイダンスで興味を持ち、プログラムに参加することにしました。

その時は、大学でゲームのことを学べたら楽しいだろうなという軽い気持ちでした。

―高野さんはゲーム制作プロジェクトでチームリーダーをしていると伺いましたが、最初は軽い気持ちだったのですね。変化するきっかけは何でしたか?

マコップに入ってすぐの、既存のゲームを遊んでその面白さを言語化してみるというワークがきっかけで、本気でゲーム制作をしたいと思い始めました。

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(任天堂株式会社)『The Elder Scrolls V: Skyrim』(Bethesda Softworks, LLC)『スプラトゥーン2』(任天堂株式会社)の3作品をプレイし、何がそのゲームを面白いと感じさせている要素なのかをグループで話し合いました。

どれも自分が遊んだことのあるタイトルなので、それらの作品の面白さの裏付けが取れた感覚がとても楽しかったです。

ワーク中は自分が遊ぶことはもちろん、遊んでいるチームメンバーを観察するようにも心がけていました。自分とは違うリアクションだなという具合で、面白さを考える視点が増えました。

それでもっとゲームの面白さ、製作者の意図を知りたいと思い、本を読んだり、『CEDEC』のようなイベントに行って講演を聞いたりすることが増えました。

そうするうちに業界への憧れが生まれて自分の意識が変わっていきました。

特に印象に残っているのは『「ついやってしまう」体験のつくりかた――人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ』(ダイヤモンド社 玉樹 真一郎著)という本です。

任天堂でwiiの企画をされていた玉樹真一郎さんの著書で、既存のヒットしたゲームを題材にして、そのゲームがユーザーにどんな体験のさせ方をしているのか解説するという内容でした。

最初のワークの際に先生から「ゲームは体験だ」という話をされていて、その時はあまりピンと来なかったのですが、この本でUXについてだんだんと理解することができました。

何も知識がないゼロの状態からスタートして、自分が本気でゲームを学びたいと思うきっかけができたので、マコップに入ってすぐの2年生前期はとても楽しい時期でした!

―そんなマコップの活動の中で、一番大変だったことは何ですか?

ボードゲーム制作のプロジェクトが一番大変でした。

実際に商品としてアナログゲームのみを対象とした展示即売会である『ゲームマーケット』※に出展することを目標に、昨年の7月頃から取り組んできたものです。
(※編集部注 本記事は2/17に行った取材を記事化したものです。 2/26の政府の要請を受けて、3/8開催予定の「ゲームマーケット2020大阪」は中止となってしまいました)

ボドゲそのものの制作については、福岡大学アナログゲーム研究会の皆さんにご協力をいただいて既存の商品から学び、テーマやシステムにオリジナリティを加えていくことで比較的順調に進みました。

しかし商品化する段階で、デザイナーの方や印刷会社などプロジェクトに関わる人が多くなると、コミュニケーションにかける時間と労力が多くなり、プロジェクト全体のスピードが落ちていくのを感じました。

また、印刷のための資金調達や販売の手段としてクラウドファンディングを実施したのですが、目標額の50万円に対して12万円ほどしか集まらず、失敗に終わりました。

―クラウドファンディングについてはいかがですか?

集まったお金のほとんどがチームメンバーの親族や友人からのご支援だったので、身内以外に広げることができなかったことが悔しいです。

やはりゲームのシステム性もプレゼン力も、クラファンページの完成度も足りませんでした。

それから、お金をいただくことに対しての必死さも足りませんでした。社会人の方にお金を出していただくためには、もっと良い意味でがめつくお願いすることが必要だったなと反省しています。

―なるほど。では、現在挑戦中のデジタルゲーム制作についても教えてください

マコップメンバーに加えて、ゲーム制作に興味がある福大生がチームを結成し、ダウンロードプラットフォーム『Steam』で販売する横スクロールアクションゲームを企画しています。

僕はチームリーダーとしてプロジェクト全体の管理をしながら、ゲームエンジンの『Unity』でキャラクターに動きをつけています。プログラマ志望ではありませんが、とりあえず作品として完成させるためにC#を勉強中です。

―今日もその作業の合間を縫ってインタビューを受けてくださってるんですよね!ありがとうございます。実際のデジタルゲーム制作は初めてかと思うのですが、感触はどうですか?

イラスト、ゲーム制作、音楽、プログラミングと初めてのことだらけで、みんなで悩みながらがんばっています。

ちょうど今手こずっているのは、キャラがジャンプした時に天井にぶつかると挙動がおかしくなってしまうという部分です。

学びながらのプロジェクトなので、僕だけががんばっても仕方ないですからね。時間がかかってもチームのみんなで作っていきたいです。

春休み中にα版(ゲームの主要な部分が動かせる状態)にまでは持っていきます!

―4月から入ってくる2期生を含め、後輩たちに伝えたいことはありますか?

とにかくゲームを遊ぼう、映画を見よう、漫画を読もう。

コンテンツにたくさん触れよう

と伝えたいです。

お金がないとか言わずに、バイトして買ってください(笑)

作品を研究して面白さの理由を知ることが、僕がゲームクリエイターを目指す第一歩となりました。今売れてる既存のソフトをちゃんと買って、遊ぶのが大切ですね。

インプットがないと、自分がどんなコンテンツが好きなのか、どんなものを作りたいのかも分かりませんから……。

マコップには直接の制作側ではなく、広報やマーケティングなどといった形でエンタメ業界を目指しているメンバーもたくさんいます。

けれどコンテンツそのものの面白さを理解していないと、そういったお仕事もできないと思います。

だから、ゲームで遊ぶことやゲームを作ることが自分の将来やりたいこととは直接的には違って見えても、とにかくやることが今は正解なのかなと思います。

―では最後に、高野さんの将来の目標について教えてください。

ゲーム会社でゲームデザイナーとして働くことが目標です。

そして、小島秀夫監督(『メタルギアソリッド』シリーズ(コナミホールディングス株式会社)監督)のように小さい頃から憧れてきたクリエイターの方と一緒に仕事をして、面白いゲームを作りたいです!

―応援しています!!今日はありがとうございました!!

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