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インドア地獄の副産物――オンラインクイズ大会 振り返り編

2020.05.14

著者情報

井上 修平

井上 修平

九大2年。ディベートとクイズが好物。アイドルオタクと博物館美術館巡りというダブルお金のかかる趣味により年中お財布に優しくない生活を送っています。

前回の記事でご紹介したオンラインクイズ企画『BFF ~Beat of 浮揚 不朽~』。

今回はその振り返りとして、私(井上)以外の企画者2名(Oz、ゆた)も含め通話で反省会を行いました。

企画意図

井上:まず企画の立案はOzだったね。発案時の念頭にあったのはやっぱり活動自粛の件かな?

Oz:そうだね。

井上:だから開催意図も自然と「オフラインに近い感覚で皆にクイズを楽しんでもらおう」に落ち着いたわけか。

Oz:俺自身リアルでクイズをやる機会が減ったから、せめてオンラインで機会があればいいなと思って。
俺はまだクイズ歴1年だけど、もっと歴の長い人だったらこの気持ちはもっと強いだろうなって想像がついたし。
ノンレギュ(参加者に年齢や経験年数で制限を設けない形)で参加者募集したのもそれが理由だね。

井上:クイズってやればやるほど、打ち込めば打ち込むほど依存性高まってくるもんね!

井上ゆたがこの企画に携わった理由は?

ゆた:企画を打ちたいって思っていたところに、ちょうどオンラインクイズの話が転がり込んできたからだね。

井上ゆたは作問より企画を打ちたい人間だもんね。

ゆた:そうそう。僕も作問はするんだけど、それよりは人に向けて企画を打つのが楽しい。

井上:今回はバランス良かったよね。3人みんなが企画そのものに注力しても作問が疎かになるし、作問ばっかりガンガンやってても企画の質が下がるし。

作問について

井上:そんな作問についてなんだけど、今回の企画で2人が考えていたことについて聞かせてもらえるかな?

Oz:今回はオープンな企画で参加者も知り合いとは限らないから、なるべく問題に自分の色がでないようにはしたね。
例えば「Ozは新海誠が好きだからどうせ出題するだろう」ってヤマ張られたら、仲の良さが有利不利に繋がっちゃうからね。
実際に反映できていた自信はあんまりないんだけどね。

ゆた:僕は今回の企画に限らずいつも思っていることにはなるんだけど、「聞いたことないような問題作りたい」っていうのがあるね。すでに手垢まみれのクイズとか面白くないし。

井上:今回みたいなオープン企画だとベタ問(頻出問題)への反応速度は経験年数がそのまま差になるからね。

Oz:そうね、実際今回上は社会人から下は高校生までいたし。

ゆた:しかもオンラインだとどうしてもラグとか出てくるから難しいんだよね。

井上:だから本質わかってる人だけ早く押せる、純粋な知識の差が顕著に出るような問題をいっぱい作ったってことか。

ゆた:そうだね

井上:例えばみんなで早押しクイズ(オンラインクイズアプリ)での作問だと問題文の読み上げがないからパラレル(問題文中に:〜ですがが入る問題)は少なめにするのが定石だけど、そういった環境由来で作問で配慮したことはある? さっきゆたが言ったラグの話とかはそうだと思うけど。

Oz:俺はオンラインだからっていうのは特になかったかな。ラグ以外は普通のクイズと変わらないし。

ゆた:そうだね、できれば普通にクイズしたいし。

井上:「オフラインになるべく近いクイズ」が企画意図だったもんね。

クイズ以外の工夫

井上ゆたはシステム構築や実況を担当してくれたけど、感想は?

ゆた:システムに関しては、皆に公開しなければならない情報が少なくてむしろオフラインの企画より楽だったかな。

井上:オフライン企画だったら得点表とかスクリーンに映して人に見せるもんね。
実況は結構好きなの?

ゆた:好きだね。自分が大会に出た時に実況してもらって感動したんだよね。失格した時も実況がカバーをしてくれたりして。それで実況ってあると違うんだなって思って。

Oz:問読みからしても実況があるのとないのとじゃ全然違う。
自分でボソボソじゃあ次行きまーすとか言ってるとなんかグダってる印象になるし。MCや実況はクイズ大会の盛り上がりにもだいぶ影響あると思う。

井上:確かに。ゲーム実況動画みたいに、淡々とした進行よりメリハリがつくよね。コメントで実況いいね! とも言ってもらえたし。

ゆた:あのコメントはめちゃめちゃ嬉しかったねー

オンラインという環境について

井上:今回の企画はなるべくオフラインとの差を感じさせないようにしたっていう話をさっきしてたけど、逆にオンラインならではのメリットはあった?

Oz:参加者に遠方の方がいたことかな。普段会えない人のプレイングを見られたのは大きい。

井上:確かに。我々が遠征せずともそういう人に参加してもらえるのは嬉しいよね。Twitterで告知するとどうしても知り合いに九州の人が多いから参加者に九州の人が多くなっちゃうのはあるけど。

ゆた:次は広報、周知についても改善したいね。

企画者の喜び

井上:企画者としての苦労が報われたなーっていうタイミングはどこかあった?

Oz:企画終わった後に参加者がSNSで感想をいっぱい言ってくれたり、ハッシュタグを使ってコメントしてくれたことかな。この問題が刺さりました! みたいなコメントは特に嬉しい。

井上:確かに。ちょっとした企画でも参加者から直接感想もらうのが一番いいよね。

ゆた:実は今回の企画、公式のLINEアカウントを作ったんだよね。そのアカウントにfooooって言われたらfooooって返すbotをつけてたんだけど、参加者の一人が気づいてくれて嬉しかった。

井上:そんなのあったんだ!?

次回への展望

井上:活動自粛等の消極的な理由を抜きにしても、今後もオンライン企画はやってもいいと思う。皆は次回以降の展望ってある?

ゆた:こういう企画がしたいっていうのとはちょっと違うけど、ターンオーバー(攻守交代)とかを参加者にも見せられるようにしたいよね。

Oz:あー、それどうにかしてやりたいよね

井上:普段オフラインだったらスクリーンに映して見せるような演出をどうにかしてオンラインでもできないかっていうのは確かに思うよね。
Oz:今回YouTube配信ができたんだったらそれもできそうだけどね。

最後に一言

Oz:今回参加者の中には面識のない方もいたんだよね。そういった方々が長時間参加してくださったこと、急な企画にも関わらず2人が手伝ってくれたことが嬉しかった。

ゆた:今回の企画すっごい楽しかったから、他の人もそう感じてくれていたら良いよね。

井上:企画は自分たちだけ気持ちよくできても、それがちゃんとウケたかは実際に参加者見てみないとわからないからね。

ゆた:実際のコメントで「楽しかったです!」の一言が出たから満足だな。またオンライン企画やろう!

Oz:そうだね。

企画者の2人はありがとうございました!

おまけ

こんなコメントがありました。
・ベタ問を避けようとすると自然とパラレル問題は減る?
・実は邦楽ロックバンドの名前を答えさせる問題がめちゃめちゃあった。
・オスマン帝国関連の問題もめっちゃあった。

参加者の声

先のインタビューでも言及しましたが、私はあらゆる企画は参加者に楽しんでもらって、感謝されて初めて成功と言えると思っています。今回、福岡合同例会の総括を務め、クイ研の先輩でもある鶴田駿斗さんから今回の企画に対してメッセージをいただきました。以下、全文を掲載します。

先日、九州大学クイズ研究会の2回生によるオンライン企画へエントリーしました。ベテランから新進気鋭の後輩まで、予断を許さない参加者の顔ぶれに、自然と心も締まります。

予選を経て行われた準決勝は、3回勝ち抜けの椅子に座れなかった人から脱落するというシビアなサバイバル。私は冒頭2セットを立て続けに落とす痛恨の立ち回りから一念発起し、何とか他の参加者を飛ばして粘るも、最後は残り1枠を掛けた運命戦で後塵を拝す結果となりました。実に1時間半に及ぶ長丁場の末の、無念の黒星でした。
近しい方の自作問題やプレイングを見ることは、クイズの実力を上げる近道の一つです。その意味で、趣向を凝らした素材や新鮮で話題性のあるトピックに触れられたこと、またそれを素晴らしい速さで打ち返す強豪と戦えたことは刺激的でした。
悔しいと切に思えるのは、それだけ質が高かったという証拠。気が沈みがちな中、この企画が私達の心に照らした光は、決して小さなものではなかったでしょう。

本当に参加者からこういう言葉がいただけると企画者冥利に尽きると言いますか、企画に至るまでのあらゆる苦労が一瞬で中和されます。

喜べ企画者諸君、今回の企画はちゃんとクイズプレイヤーたちの光となり得たらしい。

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