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就活と腕時計。【ムーブメント編】

2019.11.07

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ゆうろい

ゆうろい

ロクヨリ編集。100人に1人が気になる雑学をゆるっとお届けするよ。※著者画像はイメージです

聞いたことがある人も多いかもしれないけど、社会人になると腕時計をつける、っていうのがマナーの1つとして挙げられることがある。
普段は身につけない人からすると、
「そんなこと言われてもスマホがあるからいらないじゃん」
って考える人も多いと思う。
正直に言ってしまえばその通りなんだけど、マナーというのは往々にして不必要なものを身につけなさいと言ってくることが多いんだ。
ネクタイやジャケットなんかもその典型で、機能性だけを考えるならTシャツの方が明らかに過ごしやすいけど、マナーとして皆身につけているわけだ。

他の装身具の話はまた別の機会にするとして、今回は腕時計に絞って語らせてもらうよ。
興味のあるところだけでも読んでくれたら嬉しいな。

そもそも腕時計をつけなさいと言われる理由

端的に言えば、
「大人としていつでも時間を気にかけていますよ、真面目ですよ」
という意思表示のために必要なんだ。
分かりやすい例を挙げよう。
とんでもなく長時間の会議に出席している時、時間が確認したくなったからといってスマホを覗き込んでいたら、堅物の上司の雷が落ちるのはイメージできると思う。
でも腕時計で確認すれば、きっと雷が落ちることはないだろう。
実際にそういった場面があるかは別として、どんな時でも時間を意識していますよ! と主張するためのツールとして、腕時計をつけなさいと言われるわけだ。

時計の種類について

時計には大雑把に言って4つの種類がある。
時計好きの皆は色々と物申したいかもしれないけど、初心者向けということで石を投げたりしないで聞いて欲しい。
ボクだってムーブメントだけじゃなくてケースの話とかもしたいんだ。でも新入社員歓迎会で好きなハンドの種類について語っていたら席の周りから人がいなくなったあの頃を繰り返したくないんだ。

閑話休題。

まずは手巻き式の話だ。

昔ながらのぜんまい仕掛けのおもちゃと同じように(実際の構造は大違いだけど)、手でぜんまいを巻き上げた分だけ動く仕組みの時計だ。そして当然ながら、巻き上げを忘れれば止まってしまう。
しかも、構造の都合上1日で数秒ずつズレていく。
デメリットばかりに聞こえるかもしれないけど、ネジや歯車の組み合わせで作られているから修理がしやすい。それに、頻繁に触る必要性が生まれるから愛着が湧きやすいというメリットがある。
いわゆる一生の相棒として、修理しながら長く使いたい人の時計といった感じだね。

次は自動巻き式。

前述した手巻き式の時計に、その名の通り自動でぜんまいを巻き上げる仕組みを追加したものだ。
細かい構造の説明は省略するけれど、腕の動きに反応して自動で巻きあがるようになっている。基本的には手巻き式と同じメリットとデメリットがあるんだけど、前述したように腕の動きが関係してくるから、腕が少ししか動いていないと止まってしまう可能性がある。

ここまでに挙げた2つの時計は、機械式時計という風に総括されていて、電子部品ではなく職人がとてつもない研鑽の果てに生み出した歯車等のパーツで組み上げられている。
一品一品が職人技の結晶だから、当然値段もとてつもなく高くなってしまう。
何十、何百万もするような高級時計は大抵が機械式時計だね。
時計っていうものは、なにも宝石が沢山ついているから高いというわけじゃなくて
(もちろんそういうのもあるけどね)
作り上げる難しさから値段が高くなってしまう、というわけなんだ。

さて、今度はクオーツ式の話をしよう。

とりあえず使えればいい! という気持ちで時計を買ったらまず間違いなくこのカテゴリになると思う。先程までとは打って変わって電池やICといった現代技術の塊で動いている。
職人の手ではなく、工場で大量生産できるパーツで生産可能だから、機械式と違ってとんでもなく安価に購入できる。
安いものだと数百円で買えてしまうのはこれが理由だね。
他にメリットを挙げると、ICで計算して時間を導き出しているからとにかく時間が狂いにくい。
デメリットは機械式の逆と考えてもらうと分かりやすいかな。
安価だからこそわざわざ修理して使う人はいないだろう、ってことで、そもそも分解修理ができない構造になっていることが多いし、仮に分解できるとしても、IC等の電子部品の修理は中々に難しい。
とにかく時間が分かればいいという人向けの時計だね。

最後は電波時計だ。

これはちょっとイロモノで、自身で時間を計算しているわけではないんだ。
日本に何か所か存在している無線局が正確な時刻の情報を発信して、それを腕時計についたアンテナで受信する、という仕組みになっている。
話が脇に逸れるけど、この正確な時刻の基準になっている時計はセシウム原子時計といって、10万年に1秒程度しかズレないと言われているんだ。
先程狂いにくいといったクオーツ式が大体数日で1秒くらいだから……比べるまでもない精度というわけだ。
そんなとてつもない正確性を誇る時計からの電波を基準にしているから、これまでに挙げた時計の中でも一番時間がズレにくいし、自分で直す手間もいらない。
デメリットに関してはクオーツ式と大体同じように考えてもらえれば大丈夫。

長くなってしまったけど、とりあえず腕時計の基本はこんな感じかな。
わざわざ読んでくれたそこの君、ありがとう。

何をつけたらいいの?

特にこだわりがなければ、就活生や新社会人の皆には電波時計をおすすめする。
安いものでも1万円前後の場合が多いから、初めて腕時計を買う人はちょっとためらってしまうかもしれない。
でも、先程説明した通り、自分で直す手間がないというのは代えがたいメリットだ。
特に忙しい就活生や新社会人の皆にとって、
「もしスマホの充電が切れてしまった時でも同じくらい正確な時刻が腕時計でいつでも分かる」
というのがどれくらい素晴らしいかはイメージできるはずだ。

もちろん、腕時計は装身具の1つだから、自分が気に入ったものを買うのが一番。
時計に全く興味がなかった人が、少しでも興味を持ってくれたら光栄だよ。

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